本編前マルクト編。本編開始直前。
逆行捏造ED帰還ルークことルシエルがナチュラルにカーティス性を名乗ってマルクトで活動中。
現在外見17歳。実年齢8歳。何かと不思議に思われないローレライパワー付き。
普通に士官学校をスキップして二年で卒業後、第三師団でジェイドの部下やってます(大尉)
"記憶"とか"知識"の所為で変に割り切ってしまって若干スレ気味に成長してしまいました。
でもたまに言動はこどもなアンバランス。
逆行ジェイドと逆行ピオニー陛下も存在。
本編開始五年前から陛下が陛下です。色々ヤっちゃいました。
ジェイドは結局大佐止まりにする事に。そして研究の方にも力を入れてます。
陛下もがんばってます。主にルシを構うことに命がけ(駄目だこの人)
もうすぐ始まっちまうんだな。
そんな事を考えながら、ルシエル・カーティス――前世(?)は『ルーク』と『アッシュ』の大爆発後に生まれた二人とは全く別の人格で、ジェイドとガイを親と慕っていた――は、しみじみとこの世界に"生まれ"てからの事を思い出していた。
この世界のアッシュ――ダアトに潜入中の"兄の片割れ"の報告によれば「いい感じに育ってるぜー」との事――の廃棄予定レプリカとして存在する事になったおれの身体は(当然といえば当然だったが)10歳の姿で、生まれた頃から身体は20歳だったおれにしてみりゃ動きにくい事この上なかった(それでもひとりでコーラル城からカイツールまで根性で歩き、魔物を蹴散らす程度はできた)
確かに、おれは成人済みの身体が少し嫌だとは思ってた。
ジェイドもガイも(ついでに陛下も)中身は0歳だってわかってくれてたからいいけど、見た目は20歳。大人。
しかもガルディオス伯爵の義理のとはいえ弟という立場。自然と大人の立ち振る舞いを覚えていったのは仕方ない事だったろーし、おれもその事で悩んだ事も無い(ジェイドとガイは複雑な顔してたけど、二人の前じゃちゃんとこどもやってたからいいじゃん)
だからこどもの姿で、街を走りまわったり、その辺のこども達と一緒に遊んだり、そういうことをする余裕が持てたのは嬉しかった。この辺はローレライに感謝してやっていいと思ってる。
そうこうしているうちに2年が経過――その間に兄二人はしっかりばっちり(そしてある意味ではうっかり)ダアトとキムラスカでそれなりの地位をゲットしていた。仕方ねーじゃん、おれこどもだもん――した時、我らがピオニー陛下が即位しやがった(ほら、ジェイドとか裏で色々やってっから!)
その際の軍部再編成の諸々の隙をつき、カーティスの名やら陛下のお墨付きやらをしっかり頂戴しつつ(職権乱用はここぞとばかりに使うべし)しっかりばっちり特別試験(と銘打ったおれの実力見せつけの会)で試験管を叩きのめし、意気揚々と12歳(外見)にして士官学校にスキップで入学し、さらにスキップで卒業してやった。
5年課程を2年で終わらせてやったおれにジェイドと陛下がなんともいえない表情をしたのが印象的だった。
え、すっげーがんばっただけなのになんでそんな微妙なんだ二人とも。と第三師団に配属されたおれは不思議に思っていた。
その理由は少し後に判明した。
まあ、うん、あれだ。戦争があったんだよな。確か"前"にいつだったか聞いたけど、ケセドニア北部であった戦の事。
当然ジェイドは軍を率いていたし、おれも部下として従軍していた。つまり、おれの初陣だった。
おれははじめて、ひとをころした。
それも、たくさん。
おれの実力があれば生かす事はできるけど、それでうっかりミスって軍全体に危険を及ぼすなんて馬鹿な事はやりたくなかった。
ただでさえまだ外見14歳で、優秀すぎる成績でスキップしまくって士官学校を卒業したという事実があるとはいえ、どうせ親(ジェイド)の七光だろうという目は消えては無く、何かあればジェイドに迷惑がかかるのは必然だった。
だから、おれはとまどわずに、ころした。
ああ、人を殺すという行為の怖さは"識って"はいたのに。震える身体を宥め賺して誤魔化して。そしてまた殺して――そうこうしている間に戦は終わった。
それからだったか。なんか妙な二つ名がおれについた。
『死霊使い』が操る『死霊』
うーん、縁起でもねぇなーとは思ったけど、まあいいや。訂正すんのもめんどい。
ジェイドとお揃いだしー、とも思ったし。
そんな事をジェイドと陛下とアスランさん(こっち側に引き込み済み)と一緒のときに零したら、陛下は有無を言わさず抱きしめてくるし、ジェイドも陛下を押しのけて抱きしめようとしてくるし、アスランさんも頭を撫でてくるし。
でもやってることは説教だった。延々半日くらい。
で、そのことをルキとアスに報告したら、二人してグランコクマにすっ飛んできてぎゅうぎゅう抱きしめてきたうえにぎゃんぎゃん吼えるようにまた説教された(ちょ、お前ら、ここマルクト!)
ついでにアスから手渡されたガイからの手紙にはびっしりぎっしりと説教と小言と心配が綴られていた。うん、便箋10枚分くらい。
彼らが言いたいことを要約するとこうだった。
『お前まだ5歳だろう』
……そういやそうだった。すっかり忘れてた。
おれ、5歳で人殺しちゃったのか。
そう考えると自分の精神状態に自分で悩んでしまったりもしたけど、まあ、そうなっちゃったからには仕方ない。
義務感はあったけど、強要されたわけじゃねーしー。とか楽観的になってたらジェイドに叩かれた。陛下にも色々真剣な表情で言われた。アスランさんも心配そうにしてた。
あーもうっ!大丈夫だっつーのっ!!
――とまあ、そんな感じで軍人生活3年目のND2018。
そろそろ和平交渉の時期だなー。そうですねー。と。陛下とジェイドがやけに清々しくに呟いたのをきっかけに事は動き始めたのだった。
手始めはダアトに行って導師イオンに協力を求めないとなっ!
走行するタルタロスの甲板で空を見上げながらおれはこれからの沢山の騒動が楽しみで仕方なくて笑った。
(実年齢5歳にして断髪後ルークの如く達観してしまい、そのまま微妙にねじれた方向に育ってしまったルシエル。ジェイドと陛下、頭が痛いです。
ガイはその報告をアス経由で聞いて打ちひしがれてます。「俺の息子が、息子がぁぁぁぁっ」「落ち着けっ」
ルシエル本人は到ってポジティブシンキン。それが余計に心配される原因な事に気付いていません。
それにしてもダアト日和とバチカル日和はすんなりいけたのにマルクト日和だけどうしてこんなに難し……そうか、こればっかりは殆どオリジナル状態だからか。)
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