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2024/05/01 10:32 |
傭兵一家レヴァードの日常~七夕編~
そういや今日七夕だっけー、と職場から帰宅してから気付きました。あれー?

というわけで「"家族"~設定で逆行パラレル二周目ネタ」で七夕ってみました。










傭兵一家レヴァードにおける行事は稀に不可解だ――と、ルーシェリク・レヴァード(11)は思った。


何せ朝起きたら変な植物が居間に鎮座していたのだから。


はて、これは何だ。とりあえず数少ないバチカルの屋敷での記憶をさらってみても該当するモノが無い。
というか砂漠地帯であるケセドニアでこんな青々とした葉をした明らかに熱波に弱そうな植物が育つはずもない。
右隣で自分の真似をして首を傾げている半身であるエリシェル・レヴァード(1)を見ても答えが返ってこないのは明白、なので。

「あれは何だ」

左隣で「ああ、今年もこの季節か…」などと呟いている、この一家に来てからいつも一緒にいるガラン・レヴァード(15)へと問いかけたのだった。




「ま、要するに紙に願い事を書いて笹――そこのそれな、それにつるしておくとその願い事が叶う、とかいう言い伝えがあるんだ」

そんなわけだから皆で願い事書こうなー。はーいガイ父さーん。なんていうやり取りが行われていたりする孤児院レヴァード。
ルークとエル、ついでにガランもそこに混じって細長い紙を前に悩んでいた。

「毎年恒例行事とはいえ、書く事なんてねぇんだよなぁ」
「…毎年、なのか」
「ああ、毎年シャドウリデーカン・ウンディーネ・7の日に…こんな感じで、父さん達がどっからか笹を調達してくるんだ」

ホント、どっから持ってくるんだろ…と遠い目になるガラン。多分、本当に何処からか持ってきてるんだろう。
それが何処かは知りたくない。多分人知を超えた『何処か』から調達してきているのは間違い無い。
ルークまだ1年もレヴァードとして暮らしていないが、それだけは断言できる。それほどにこの"家族"は色々ありえなかった。

閑話休題。



「そういや、この日は笹に願い事つりさげるだけじゃなくて、他にも意味がある日なんだぜ」
「どんな?」
「な?」

ルークが興味を持って聞き返すと、エリシェルが真似をして首を傾げる。最近よく見られる光景だ。
それを微笑ましそうな目で見てから、ガランは語りだした。



年に一度の恋人の逢瀬の話を。



「と、まあ、こんな言い伝えもあってだな……ってどうしたエル!?」
「エル…?」

語り終えたガランの慌てる姿を不思議に思ってエルを見ると、エルは泣いていた。ぼろぼろと涙を零して。

「かぁいそ…いちねんにいっかいしかあえないの、さみしいよぉ…」

うわぁぁぁん、と大声で泣き出してしまい二人揃っておろおろして孤児院のこども達(とはいえ殆どルークやガランと似たりよったりの年齢だ)の注目を集めてしまう。
こんな時普通なら助けてくれるはずの大人はいつも傍観者だったりする。ははは微笑ましいなぁそうですねぇなんて父親代わりの2人の会話に毎度殺意を覚えかける。それが日常だった。どんな日常だ。

二人して必死になって抱きしめて撫でて、なんとか宥めて落ちつかせられたのは1時間も後の事だった。
その頃には孤児院のこども達は願い事を書き終えて笹に群がっているところだった。

ひっく、ひっく、といまだにしゃくりあげるエルの背を両側に座ったルークとガランがぽんぽんと軽く叩く。

「ずっといっしょがいいよ、ぜったいいよ」
「ああそうだな」
「泣くなエル」

いっしょがいいよ、いっしょが、と言い続けるエルを邪険に扱う事無く二人は声を掛け続ける。それが一番だと理解しているからだ。
いかんせんこの子はまだ己の感情の整理等できないのだから。まだ、1年しか生きていない。

そして落ち着いたところで結局願い事はどうしよう、という問題に直面した三人だったが、ややあってエルがペンを手に取り最近やっと書けるようになったお世辞にも綺麗とはいえない、拙いフォニック文字を書き綴っていった。

それを両側から覗き込んだ二人は顔を見合わせて――幸せそうに笑い合い、同じように短冊へと文字を綴った。



『るーくと、がらんと、えるで、さんにんで、ずっと、ずっと、ずーっといっしょにいられますように』



そう綴られた短冊に重なるように結わえられた二つの短冊には、書いた人物の違いはあれど同じ内容で。
それを偶然見てしまった父親代わりの二人と兄代わりの三人は顔を見合わせた後くすぐったそうに笑いあい、一つの短冊を吊るした。



 ――きみたちにしあわせなみらいをあげられますように――

















(ホドにならきっと七夕という行事はあったはず、だと思いたい。という事でこの行事の発案者はガイ父さん。元々戦災孤児が多い孤児院だからこういう行事はいい気分転換になるぞ、って事で。
 笹に関しては…うん、きっと、ほら、ジェイド父さんが何かをアレしてコレして調達してるんだと思います。
 
 そんな感じの七夕なレヴァード一家、赤毛救出から1年経過中。
 ルークはやっぱり元が元なんで11歳らしからぬ物静かさ。でも興味がある事には素直っぽい感じ。それから弟ラブ(笑)
 ガランもガランで素でおにいちゃんやってます。家族に囲まれて10年も経過すりゃこれくらいにはなりますよねー(…) この時点で既に復讐?なにそれおいしいの??つーか憎いのはキムラスカだし(笑顔)なノリ。
 エルは読み書きが出来るようになりました。

 他にも何かしら行事の度になんかやってます。多分。)

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2008/07/07 22:44 | Comments(0) |

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